• 2日目 2000年11月14日
    ◎都井岬で起床〜馬と遊ぶ
     たいした雨にもならず、なんとか朝を向かえることができた。起床時間は7時頃。 昨晩の白いワンボックスはベンツだった。テントをたたみ、 出発に向けて荷作りをしていると白ベンツがこちらに近付いてきた。 ドライバーは50歳ぐらいのがっちりした人だった。このおじさん、化粧品会社のオーナーで、 長期休暇を利用して九州を自動車内宿泊旅行しているという。 オートバイ愛好家でもあり、現在ホンダのトライク(GL-1500)を所有しているそうだ。 白バイライクな仕様になっており、本物の白バイとすれ違うときは特に視線を感じるという。 驚くべきことに、アメリカのモンスターバイク(ボスホス、 トラック用5000cc超エンジンを積んだド迫力バイク)に乗っていた時期もあるようだ。 簡単な調理場もある車内には、バイク用の革ジャンも飾られていた。 なんでも、メキシコに行ったときに買った由緒ある伝統工芸品らしい。 民族的なかおりのする刺繍が施してあった。さらには写真好きでもあり、 クルマにはいくつものカメラとレンズを積んでいた。
     話をしていると、馬がやってきた。どこからともなく一頭の馬がやってきた。 おじさんがクルマからりんごを持ち出し、馬の方に転がした。 「野生の動物に餌をあげるのはよくない」との本音は主張できず、 割り切って一緒に楽しんだ。都井岬の岬馬はやさしい目をしている。 動きもゆっくり、のんびり。おっとりタイプ。
    (左:岬馬、中央:おじさんと馬、右:馬と私)

    ◎都井岬〜R448〜南郷町〜日南市〜宮崎市(トラブル発覚)
     おじさんと話し込んだので出発時刻は8時半頃になってしまった。 岬から国道に向けての一本道を走る。途中御崎神社付近に寄ったりもした。

    岬馬は優しい目をしています
     国道に出て、R448を日南方面へ向けて走る。 都井岬から南郷町あたりまでのワインディングは最高!狭く適度に入り組んだ2車線、 勾配があって非常に面白い。かなり好きなタイプ。今回のツーリングで最も印象に残った。
     南郷市から宮崎市までは交通量がぐっと増える。観光バスも多いし、のろのろ走るクルマもいる。 その上、曇り空であまり良い思いではない。人のWEBで見ていた鬼の洗濯板と、 なかなか楽しめる堀切峠が救いであった。
     巨人軍キャンプ場は、運悪くお休み。宮崎市中心部へは宮崎南バイパスを利用する。 片側2車線中央分離帯ありのほとんど直線路。高速道路状態。 日南海岸で思うようにはしれなかったので、ここではガーッと飛ばした。海からの風が強かった。 バイパスが終ってからの信号待ち。エンジン前部から白い煙のようなものがゆらゆら。 しばらくすると何事もなかったようになる。次の信号停車でもそう。こういうことは、 程度は軽いが以前もあったような気がしたので気にしないことにする。
     県11でシーガイアを目指す。シーガイア・オーシャンドームのような観光産業施設は個人的に大嫌いだが、 大嫌いを主張するためには少なくともこの目でその姿を確かめる必要があった。 本物の波があるのにわざわざ自然を大きくつぶして人工の波をたて、せまい囲いの中で観光客を遊ばせる、 しかも赤字経営、バブルの遺物。滑稽だ。さらにカジノ合法化論など唱えて宮崎を賭博場にせんとする長には絶句。
     シーガイア北部の海岸に行ってみた。天気が悪いので、見るべきものはサーファーの妙技ぐらいであった。 すこし歩いてバイクのもとに戻る。先程から気になっていた煙の正体を特定すべく、 エンジン前部をみてみると、なんとオイルクーラーからオイルがだだもれしているではないか! 排気ガスにくわえオイルまでもまき散らしていては、環境保護に逆行する。 それ以前に、エンジンが壊れる恐れがある。ネジの増し締め程度で復活すればラッキー、 ということで作業できる場所を探す。2車線舗装路脇の歩道にバイクをとめ、 オイルクーラーまわりをチェック。サイドのガード板が邪魔でよく見えないが、 エンジン回転をあげると吹き出すようにオイルが洩れることがわかった。 ガード板を取り払いたかったが車載工具ではサイズがあわず、どうしようもない。幸いオイル残量は十分あったので、 低い回転でゆっくりならしばらく走れるだろうし、どこかでオイル1L缶でも買えば、 補充しながら自宅まで帰れるはずと判断する。
     このトラブルのため、その日のルートがほぼ決定。寄り道はせず、 低い回転でたんたんと走るために、また、万が一自走不能に陥った場合を考え、 10号線を単純に大分市まで、そこからは走り慣れたルートを走ることにする。

    ◎宮崎市〜R10〜丸三モータース(高鍋店、川南店)〜R10〜大分市
     オイルクーラーからの強度のオイル洩れといういわば爆弾をかかえてしまったが、 とにかく出発。自走できる限りは頑張りたい(つらくても頑張るのはエンジン君、 乗り手の精神的苦痛なんてしれたものなのだが)。
     R10を北上する。宮崎市から20km程走ると高鍋町。ここで給油する。 オイル洩れをチェックするまでもなく、ガソリンスタンドの床にオイルがポタリポタリしていた。 ショック。スタンドの兄ちゃんに気づかれるのは嫌なので、そそくさと立ち去ろうとしたが、 兄ちゃんはGSFのそばに座り込みバイクをチェックしていた。
    (兄ちゃん)「オイル洩れてますよー」。
    (私)「そうなんですよー、先程気づいたんです。 ガード板をとってよく見たいので、六角レンチを貸していただけませんか?」。
    (兄ちゃん)「工具ないんですよー、すいません」。
    ここは規模の大きなSS、六角レンチがないなんてことがあるまいと思ったが、やりあうのも面倒なので、 近所にバイク屋はありませんかと聞いたところ、すぐ近所の店を紹介してくれた。
     バイク屋を目指して出発。スタンドを出て最初の信号を左折すると左手にホンダのショップがあった。 「丸三モータース」さん。店に入ると、20代後半くらいのお姉さん(かなりカッコイイ人、マジで!)がいて、 トラブルの旨伝えるとヘキサゴンをつけたラチェットを持ってバイクの元へ駆けつけてくれた。 化粧カバーを外してくれたので、エンジンを軽く吹かして様子を見る。確かにコアの部分からオイルが洩れているのが確認された。 応急処置について尋ねると、高鍋町の店では販売が主で本格的な修理は隣町の川南町の店舗で行っているとのことで、 そちらに向かうように勧められた。電話で連絡をつけてくれたことが嬉しかった。
     10号線を北上し、隣町を目指す。左手に丸三モータースを探す。 途中町境付近に物見やぐらのようなのがあって、その中からお巡りさんが実際に国道を監視しているのには笑った。 白バイさんもいたが、マシントラブルのおかげで飛ばしていないので(出しても80km/h、登坂車線も利用しない)無関係。 白バイに追尾されるときというのは、その存在に気づいているなら結構楽しい時間だ。 気づいていないふりをしたりしてみて(笑)。
     やがて川南町の丸三モータースに到着。こちらの店舗にはおやじさんが一人。クルマも扱っているようで、 クルマの整備をされている最中だった。
     事情を説明すると、さっそくエアガンとパーツクリーナを駆使して洩れの箇所を調査してくれた。 そのために消費したクリーナの量が結構なものだったので、なんだか申し訳ない気持でいっぱいになる。 だいたいの場所は判明したが、損傷具合からして洩れをとめるような処置は不可能とのこと。 クルマのラジエターのようにはいかないそうだ。
    (私)「オイルを継ぎ足しながらだましだまし行くことにします」
    (おやじさん)「洩れたオイルを踏んで滑べるぞ!」
    といっておやじさんはきれいなウエスをとりだしてきて洩れ箇所を覆い、バンドで固定してくれた。 洩れたオイルによる二次災害防止の為である。ありがたい。
     お礼をいい、料金のことを尋ねると「いらない」との返事が。 実は数百円しか持っていなかったので助かった。さらに礼を言って店をでた。 後で考えれば、新品ウエスの実費くらいは払えば良かったと思った。 「丸三モータース」さん、ほんとうにありがとうございました!おかげでGSFは元気に走っております。
     その後10号線はしばらく緩やかなアップダウンの直線路。交通量もそんなにないし、 道の割には飛ばすクルマもいないので80km/hくらいで走っていれば独走状態。トラブルを抱えていて、 回転数は抑えたかったので助かったー(本当は3000rpm60km/h以下がよかったけれど、団子の先頭に迷惑な車両となることだけは避けたかった)。
     その後、日向市、延岡市を経由したけれどそのあたりの記憶が全然ない。 面白味のない道をエンジンを気にしながら走ったからかもしれない。 途中、調子にのっていそうなクルマをミラーのゴミにしたことは覚えている (調子に乗っているのはあんただろう!オイルも結構吹き出したはずだぞ > 自分)。
     延岡を過ぎての、北川町、宇目町、直川村、弥生町、このあたりの風景はすごく好きだった。 大分の昔ながらの素朴な生活風景が残っている感じ。石橋がごく自然な様子で風景にとけ込んでいる。 交通量も少ないし道もよいので悪くない。ツーリングマップルおすすめルートから外れているのが不思議。
     弥生町の明治小にさしかかったあたりで、鶴見町に海鮮丼を食べに立ち寄ることにした。 が、佐伯市街地に入り少し迷ったところでやめた。安くて新鮮な海鮮丼があるというのをテレビでみたことがあったのだが、 その記憶が鶴見町か津久見か曖昧だったのだ(音が似ている!)。どちらに行くにしても距離がそこそこあるので、 オイルのことを考えてやめにした。リスクが大きい。
     R10も大分市に近付くにつれ交通量が増加していく。工事のためか長蛇の渋滞が発生しており、 おまけに片側1車線路で幅のムチャひろい大型特殊車両が道を塞いでいたりしてすり抜けもままならなかった。 すきをみてそれ急げ。
     10号線は混んでいる。過って大分南バイパスに入ってしまった。 この先をそのまま走ると有料道路になってしまう。ダンプカーの後ろを走りながら、 Uターンして引き返せる場所をうかがっていると、意外なところでダンプが左折した。 もしやと思いついていくと、新興住宅地の中へ。見事に10号線の迂回路だった。さすがダンプ。 バイパスへの分岐から大分大学付近まで渋滞無しで走ることができた。 でも、住民のことを考えると安易に選ぶべきルートではない。 騒音・振動、安全のこともあるし、後日クルマで走ったときは迂回路の出口(大学付近)がそうとうひどい渋滞になっていた。

    ◎大分市〜R210〜湯布院〜九重〜玖珠〜日田市〜基山の自宅
     この道は片側一車線だけれど結構な大動脈。交通量は少なくはないがストレスなく流れる。 これまでにも何度か走ったことはあったが、いずれも日没後で景色は楽しめなかったのだが、 この日はまだ日が十分残っていたので始めて風景をみたのだが、これがなかなか。 川沿いを走る際には雄大な感じがするし、昔のかおりも楽しめる。
     湯布院の手前になると登坂車線が現われるのでビュンビュン快走する。 水分峠付近まで登坂車線はちょこちょこあるので、好き勝手に走る。 コーナリングしながら他車を気兼ねなく抜くことはあまりできるものではない(ですよね?)からこのルートは結構快感。
     湯布院から九重町に入るともうホームタウンであるかのような親しみを感じる。 わかりきった道だから安心感があるのだろう。水分峠を越すあたりからは日没前で、 西側に向かって走り続けるのだが、これが最高。景色全体が、こがね色に輝いているのだ。 大分の風景が一番肌にあうな、と感じる。いつか大分をくまなく回りたい。
     あとは玖珠、日田、夜須、といつもの経由で基山の自宅に無事到着。 オイル量を補充する。最低油量を500cc程下回っていたようだ。 よく無事自走できたものだと感無量である。 これでもオイルプレッシャーランプは点灯しなかった。
  • 2日目終わり(2001.1.20記)

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